健康診断の結果を今後に生かすためにも、ひとつひとつの項目について確認しましょう。
「健康診断結果報告書」には、各項目ごとに数字によるデータ及び、判定結果がアルファベットで記入されています。
●身体計測
身長と体重の測定結果から、標準体重・BMIを求めることができます。
BMI=体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]
※標準体重の±10%以内なら、正常範囲とされ、+10%以上は「肥満」と判定されます。肥満は生活習慣病のリスクが高くなりますので、要注意です。
●血圧
最低血圧90~94、最高血圧140~159を境界高血圧と言い、最低血圧95以上、最高血圧160以上を高血圧症と判断します。高血圧症は、動脈硬化や、脳疾患、心臓疾患のリスクが高まります。
●血糖値・・・陽性の場合は、糖尿病の疑いがあります。
●尿蛋白・・・陽性の場合は、腎臓、膀胱、尿道などに異常がある可能性があります。
●ウロビリノーゲン・・・陽性の場合は、肝臓、胆道系疾患などの可能性があります。
●尿潜血・・・尿の中に血液が混じっているかどうかを調べます。陽性の場合は、腎臓、膀胱、尿道などの異常が考えられます。(※女性の場合は生理中は陽性になります。)
●ヘモグロビン・・・男性:13.0~17.0g/dl、女性:11.0~15.0g/dlが標準です。少ない場合は貧血が考えられます。
●赤血球数(RBC)・・・男性:400~550万μl、女性:350~500万μlが標準です。減少している場合は、貧血が疑われます。
●へマトクリット値(Ht)・・・一定の血液量に対する赤血球の割合を表しています。減少している場合は、貧血が疑われます。
●白血球数(WBO)・・・血液疾患や体内の炎症の有無がわかります。
●コレステロール値
コレステロール値に関しては、2007年より「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」で、次の3つを「脂質異常症」の診断基準としています。それぞれの値を知ることにより、糖尿病や甲状腺機能低下、動脈硬化の進み具合を知る手がかりとなります。
(1)HDLコレステロール・・・ 40mg/dL以上が正常値です。「善玉コレステロール」とも言い、高値であるほど動脈硬化を抑えます。
(2)LDLコレステロール・・・ 140mg/dL未満が正常値です。「悪玉コレステロール」とも言い、高値であるほど動脈硬化を促進します。
(3)中性脂肪(TG)・・・150mg/dL未満が正常値です。高すぎると動脈硬化、心臓病、脳卒中のリスクが高くなります。また、糖尿病や肥満、動脈硬化などでも高値を示します。
●GOT・GPT・・・高い場合、肝炎や肝硬変の可能性があります。
●γ-GTP・・・高い場合、アルコール性肝障害や脂肪肝、胆汁の排泄障害などが考えられます。
●ALP・・・高い場合、肝汁の流出障害などが考えられます。
●クレアチニン・・・高い場合、腎炎などの排泄障害が考えられます。
●尿酸・・・高い場合、腎炎などの排泄障害が考えられます。足の指に沈着すると痛風になる可能性があります。
●尿素窒素・・・高い場合、腎炎などの排泄障害が考えられます。
●胸部レントゲン・・・気管支の異常、心臓の形態と異常、肺結核、肺ガン、胸部疾患などがわかります。
●心電図・・・心房・心室の肥大、心筋障害、不整脈などの発見に役立ちます。
健康診断の判定結果は、主に次のようなアルファベットで示されていますので、確認しておきましょう。
A:異常なし
B:要観察(わずかに所見が認められますが、日常生活に支障はありません)
C:要経過観察(ただちに治療を受ける必要はありませんが、医師の指導を受け経過を観察する必要があります)
D:要精密検査又は再検査(早期に医療機関で精密検査又は再検査を行う必要があります)
E:要治療(早期に医療機関で治療を受ける必要があります)
F:要継続治療(主治医の指示のもとで継続治療を行う必要があります)
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