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ストレスから来る病気の種類

中高年世代は、社会的な責任の重さなどから、最もストレスを抱えがちな世代です。
現在、ストレスは悪いものというイメージが先行していますが、適度なストレスは時には個人の能力をアップさせる原動力になったり、生活に張りを与えたり、生きがいを感じさせるものです。

問題なのは、個人の適応能力を越えるストレスに見舞われた場合に、さまざまな病気を誘因してしまう事です。

人間には、外界の環境に対して生体を安定した状態に保とうとする働きがあり、これを「ホメオスタシス(恒常性の維持)」と言っていますが、通常のストレスであれば、この「ホメオスタシス」の機能でストレスは解消します。

しかし、解消しきれないストレスが繰り返し起こって蓄積される場合や、私たちの適応能力をはるかに越えるようなストレスに見舞われた場合、自律神経のバランスが乱れ、結果的に身体の免疫力や抵抗力を低下させて病気を引き起こすのです。

このような過度なストレスが引き起こす症状として、次のようなものがあります。

食欲不振
人間の脳の視床下部というところに、空腹感を感じる空腹中枢と、満腹感を感じる満腹中枢がありますが、ここが人間の食欲をコントロールしています。

過度なストレスにより、このコントロール中枢のバランスが乱れると、お腹がすいていても「食べたい」という気持ちが起こらなくなり、食欲不振を招きます。

胃炎・胃痛
ストレスによる胃炎や胃痛は多くの人が経験しています。「ストレス性胃炎」とも言いますが、このような胃炎や胃痛は自律神経の乱れに関連しています。自律神経は、人間の意識に関係なく、内臓の動きや機能をコントロールしていますが、精神的な影響を受けやすいのです。

自律神経が乱れると、胃の中では胃酸が過剰に分泌され、胃の粘膜組織の血流不足や粘液物質の分泌が抑制されます。その結果、胃粘膜が薄くなり、胃酸によって胃壁が損傷され、痛みとなって現れます。悪化すると胃潰瘍となり、治療が必要となります。

頭痛
仕事や人間関係で何日も悩んだりした場合、頭が重く感じたり、頭痛を起こす場合があります。

このような頭痛もまたストレスによる自律神経の乱れが原因で起こります。ストレスによる頭痛が悪化して自律神経失調症やうつ病などになることもあるので、注意が必要です。

睡眠障害
「心配事があると眠れない」という経験は多くの人がしていますが、ストレスは睡眠にも大きな影響を与えます。

入眠するまでに30~60分以上かかり、苦痛を感じるような場合を「入眠障害」と言い、睡眠障害の中でも最も多くなっています。

その他、睡眠中に悪夢を見たり、眠りが浅く中途覚醒を頻繁に起こしたり、睡眠中に異常行動を起こすなどの睡眠障害もあります。睡眠障害は放っておくと精神的不安を助長させ、うつ病を引き起こすこともあるので、注意が必要です。

うつ病
個人の適応能力を超えるストレスが長く続き、正常な精神活動を阻害するようになると、うつ病を招くことがあります。うつ病は「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった脳内神経伝達物質のバランスの乱れが原因で発症します。

過剰なストレスでこの脳内神経伝達物質の働きが悪くなり、感情や思考の活動がスムーズに行われなくなり、「何もやる気が起こらない」といった憂うつな気分が何日も続きます。

最近は、中高年世代のうつ病も増えていますが、特に「責任感が強く真面目な性格」「几帳面で仕事熱心な性格」の方が、うつ病にかかりやすいと言われています。うつ病は治らない病気ではありませんので、早期に発見して適切な治療を受ける事が大切です。

摂食障害
ストレスが原因の摂食障害は、10代から20代の女性に多く見られますが、まれに男性にも、また中高年世代にも見られます。

摂食障害は、神経性食思不振症(拒食症)と神経性大食症(過食症)に大きく分けられますが、拒食症から過食症に移行する場合や、その逆のパターンもあります。

自律神経失調症
自律神経は、人間の意思とは関係なく、体温を一定に保ったり、心拍の速度を調節したり、食べた物を消化したりといった働きをしています。自律神経は脳の「視床下部」というところでコントロールされていますが、非常にストレスの影響を受けやすく、バランスが崩れると色々な症状が起こります。

病院で検査を受けても異常は見つからず、疲労感やめまい、立ちくらみ、耳鳴り、息切れ、冷え、のぼせ、目の疲れ、動悸、肩こり、頭痛などの症状が続く場合は、自律神経失調症の可能性があります。

依存症
過度なストレスで精神が抑圧されると、人間は何とかそのような状況から抜け出そうとします。たとえば、ストレスを発散しようとして買い物をするなどは、度を越さなければ良いストレス解消法になります。

しかし、生活が破綻してしまうほど次から次へと買い物を続けると「買い物依存症」となってしまいます。ギャンブルでストレスを解消しようとしてのめりこんでしまうと、「ギャンブル依存症」に、アルコールで解消しようとしてどんどん飲む量が増えて行くと「アルコール依存症」に陥ります。

 

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